3月14日、午前11時。

我々、特別捜査員はこの一件を最重要事件として調査することになった。
そして孤児院に勤める一人の女性から、少女Aが孤児院の中で虐待を受けていたという情報を得た。
一緒に生活をする仲間から、そして世話をするべき人間からも。


少女Aの事情を伝えると女性は泣き崩れ、そこからは話にならなくなってしまい、已む無くこの日の捜査はここで切り上げることになった。


3月15日、午前8時。

再び孤児院に向かい再び事情聴衆を試みたが、孤児院内からは誰の反応もなかった。
立ち入ってみると、そこにはこの世の終わりといっても過言ではない光景が広がっていた。


孤児院の全ての人間が死亡していたのだ。
血で染まった床に無造作に転がる包丁、そしていくつかの死体にも包丁が握られていた。

驚いたのはそれだけではなかった。
全ての死体には少女Aと同じように両目がなかったのだ。