ひまわりの涙

「いったい何事ですか?皆さんの注目を集めてますよ」


そっと呟く鏡の言葉に私は周りを見渡した。


確かに遠巻きに見られている…


「司さん…皆みてるから…」


私の必死の訴えに耳をかした司は、やれやれと諦めきれない顔で立ち上がる。


「で、明人、何しにきた?用があるんだろう?」


「ええ、今春仁様は控え室に行かれました。そこに鞠乃様をお連れするようにと」


そう言って私を見つめる。


「そうか、今から行くと伝えてくれ」


そう早口に言うと控え室とは反対方向へと私を連れつく。


「司さん?こっちは反対方向…」


「いいから、ついておいで」


何故か楽しそうな声根の司さん。


そんな2人の後ろ姿を見つめる鏡は苦笑いを漏らして控え室へと向かった。