うわ、味薄っ。
カルピスの味がしない…。
入れたばかりなのに、と少々むくれてみる。
「あ…」
そこで目に入る壁時計。
短い針は7と指していて。
もう7時かぁ…。
雄くん、もう絶対帰ってきてるよね。
「どしたの?陽菜ちゃん」
私の様子が気になったのか、広斗くんが私の顔を覗き込んだ。
「えっと…ごめん、私もうそろそろ帰らなきゃいけなくて…」
「えー!そうなの?まだ早いのに…」
みるみると広斗くんの眉毛が下がっていくのがわかって、申し訳なさがでる。
「ごめんね、約束があって…。」
鞄を手に持って、席を立つ。
「待って陽菜ちゃん」
いそいそと出ていこうとするとそれは広斗くんの呼び止めにより止められた。

