「ごめんね、私がそんなの入れたから…」
ドリンクバーから部屋へ戻る途中に、隣にいる広斗くんに話かける。
「そんな謝んないでよ、俺イチゴオレ好きって言ったじゃん」
「う…」
なんか、身が重い。
「話変わるんだけどさ、陽菜ちゃんって彼氏とかいるの?」
「え!?、いいいいないよ!」
「ほんと?まぁ…いたら合コンなんて来ないよな」
「う、うん…」
…広斗くんって、気さくな人なんだなぁ。
こんな私にまで構ってくれて。
「俺ずっと陽菜ちゃんのこと気になってたんだよね」
「へ……」
「なんか部屋にいても話さないし、飲んでるだけだったから…」
「あー…私合コンとか初めてで。あんまりよくわからなくて」
私が話すと、「そっかぁ」と広斗くんが相槌を打つ。
「つまんない?」
「…ちょっとね。あんまり話せないし…」
「じゃ、俺の相手してよ」
「え、あ、私で良かったら……」
ぴたり、広斗くんが固まる。
「え、まじ?」
そして瞬きを数回。
「うん」
「やったっ」
なにを驚いてるんだろうと思ったけど、
小さくガッツポーズをする広斗くんを見てあまり深く考えないことにした。

