「え、間違えて押しちゃった系?」
広斗くんの言葉に、ただ頷く私。
グラス満タンに入れちゃったよ…どうしよう。
このまま流すのももったいないよね…。
「あはは!陽菜ちゃんておもしろいよねっ。貸して?それ俺が飲むよ」
「へっ?」
隣で、広斗くんがスッと手を差し出す。
「新しいグラスに飲みたいもの入れなよ。それ俺が飲むからさ」
「そんな…いいよ、私が飲むよ」
…ほんとはこういうドロッとした飲み物は好きじゃないけど。
だからって飲んでもらうのは悪いよ。
「いーからいーから。ほら、貸してっ」
「あっ…」
ひょい、とグラスを奪い取られ、そのどろどろ激甘イチゴオレは広斗くんの手のもとに。
「俺イチゴオレ好きだからさ、そんな気にしないで?」
「でも…っ」
「いいのいいの。はい、好きなの入れなよ。」
そして新しいグラスを渡され、一応受けとる。
「…ありがとう。」
そして受けとったグラスに、カルピスを注いだ。

