「北岡さん、怪我したって聞いたけど大丈夫…!?」
勢いよくドアが開いて、誰が来たのかと思えばそれは菊池くんだった。
「菊池くん…」
なんで…菊池くんが?
菊池くんと目が合うと、菊池くんの大きな瞳はよりいっそう開かれた。
「…大丈夫?」
丁寧に、ドアを閉めた菊池くんは私の方へと来る。
「う、うん。ちょっと痛むけどもう大丈夫…」
「良かったー…まじ焦ったよ、北岡さんが怪我したって聞いて」
「ごめんね、心配かけて…」
私が謝ると、ううん。と菊池くんが笑う。
良かった、菊池くんが来る前に鼻のティッシュ外しておいて。
「あれ…先生は?」
「あ、放送で呼ばれて…職員室行ったよ」
「そっか」
菊池くん、優しいな。
こんな私の心配してくれるなんて。

