最初、見つかったらいけないそう思ってシートに身体を沈めてじっとしていた。 時々、聞こえて来る声が言い合っているようにも楽しく話しているようにも聞こえてきた。 そろそろ、この格好も辛くなってきたんだけど―――。 別の車が動いた音がして、その音は段々小さくなって行った。 そして槇野先生が運転席に座ってエンジンの掛かる音がして動き出した。