次の瞬間、腕を引っ張られて先生にギュウッと抱きしめられた。 夢じゃないよね。 「美羽」 名前で呼ばれて顔を上げると唇が触れてきて…… 心臓が締め付けられたような痛みを感じた。 そんな痛みを感じたことなんてなくて、槇野先生の腕の中でされるままにじっとしていた。 「嫌だったか?」 身動き一つせず固まっている私に槇野先生は不安そうに訊いてきた。 ぶんぶんと首を振った。