「どうして私なんかの事で心配したり、あの時あんなに怒っていたんですか?」 「何でだと思う?」 「質問で返事を返すのはやめて下さい。私が訊いてるんです!」 「お前……生意気」 槇野先生は自分の頭に手を持っていき髪の毛をくしゃくしゃっとしてから私を見た。 「はあ―、これを大崎に言うのはまだ先の予定だったのに……」 いつも冷静な槇野先生が何故か困った様子でいるのが少し可笑しくて…… つい忍び笑いをすると睨まれてしまった。