「ほっといて」

私は窓の外を眺めた。

ほどよい風が頬にあたる。

その風と同時に花壇に植えてあるチューリップがゆらゆらと揺れる。

「きれい・・」

そのチューリップはとてもきれいで、ピンク色で、元気に育っていて、でももう少ししたら枯れちゃいそうで・・。

だけど負けず生きていた。

チューチップにそっと微笑み、前を向いた。

「なーにしてんのー」

あー。また隣のヤツだ・・。

いちいちうるさい・・・・。

私は無視してそのまま前を向く。

「ねーってばー愛美ちゃーん」

「もう、しつこいな!」

『愛美ちゃーん』
この馴れ馴れしさがうざすぎてきれてしまった・・。

隣のヤツは「ご、ごめん」と言って前を向く。

まったく、謝ればすむとでも思ってるの?

心の中で小さく呟いた。