俺達は見えざる敵の襲来に備えて作戦を考えた。
作戦と言ってもどれが貴重でどれが取りやすいかといったかなりアバウトな考えだった。
どこから現れるか分からない上、何者なのかすら分かっていない今の状況では全てに目を向けるのではなく、一つに絞って見張る方が効果的だ。
二人居るのだから高価なやつと持っていき易いやつをそれぞれが見張ればどっちかにかかる。
俺は高価な方を担当し、水和は持っていき易い方を担当した。

午後10時。
二人は自分の持ち場に着き獲物が来るのを待った。

深夜1時を過ぎたが動きがない。
気づかれたと思い、他の箇所をまわってみた。
俺が一番遠い場所の骨董品を見に行った時、携帯電話が鳴った。
それは俺らが決めていた合図だった。
着信履歴にお互いの番号を入れておき、何かあったらかけるようにしていたのだ。
その為、着信音を音楽ではなく、聞こえやすいもとから入っているアラーム音に設定していた。
俺はすぐさま水和の所に急いだ。