僕は突然目の前に現れた何物かにぶつかられしりもちをついてしまった。



頭がクラクラする(今が夏であるがための熱中症のせいもあると思うが)。



僕、霧島 凉河(きりしま りょうが)は確か中学生最後である貴重な夏休みのだらだらdayを無理やり友達に連れ出され


このくそ暑い炎天下の中、近所にある大きな巴奏池のほとりへと魚釣りしに来ていたはずなのだ。



そこまではまだよかった(いや、よくはないが)。



持参した1Lのお茶を飲み干してまでしてやっと到着した巴奏池にはなくてはならない肝心なものがなかった。





「水が…ない?」