氷のように冷たい子。
クラスで隣の席になった時、最初に感じたことだった。
いっつも無表情で同じ一点を見つめ、席を立つことなんて殆どない。人と喋ることなど一度もなかった。
「おーい、聞いてる?」
「悪い。ぼーっとしてた。何?」
「だからあいつのことどう思うかって話。ほら、お前の隣の席の奴」
視線を辿ると例の彼。羽宮零。
サラサラと風で揺れる黒髪。頬杖をついたままずっと一点を見つめていた目と、バチリと合う。
合ったのはたった一瞬で、羽宮は窓の方へ視線を向けてしまった。
「なぁ、どうなんだ?」
「どうって……。俺は話したことがないから分からない」
「だよなー。あいつ友達とか居ないっぽいし」
話している友達の横で俺はただボーッとしていた。
クラスで隣の席になった時、最初に感じたことだった。
いっつも無表情で同じ一点を見つめ、席を立つことなんて殆どない。人と喋ることなど一度もなかった。
「おーい、聞いてる?」
「悪い。ぼーっとしてた。何?」
「だからあいつのことどう思うかって話。ほら、お前の隣の席の奴」
視線を辿ると例の彼。羽宮零。
サラサラと風で揺れる黒髪。頬杖をついたままずっと一点を見つめていた目と、バチリと合う。
合ったのはたった一瞬で、羽宮は窓の方へ視線を向けてしまった。
「なぁ、どうなんだ?」
「どうって……。俺は話したことがないから分からない」
「だよなー。あいつ友達とか居ないっぽいし」
話している友達の横で俺はただボーッとしていた。


