「ねぇ、愛してるよ。」


僕は言う。


君は困ったように笑う。


「俺もだよ。」


何十回と繰り返したやりとり。

もう戻れないんだ。


彼の体温に触れてしまったあの夜から。



僕も彼も分かっている。


こうして体を重ねることが罪だと。

だって僕らは同性同士で……

子を孕むことはない。


神様は決して許しやしない。



それでも僕はこの罪を手放せない。


「ねぇ、今夜も犯そう。僕と君の罪を。」



瞼を下ろして、彼に口付ける。

彼は僕の後頭部に手を添えて、キスに応えてくれる。


存分に貪ってから唇が解放される。