その翌日、
私は佐藤君の告白を断った。
"それでも僕は、待ってますから"
そう苦しそうに笑った彼の顔も
あの人に会うと忘れてしまった。
「秋田く…恵さん。
君にプレゼントがあるんだ」
それは、
ストラップに羽があしらわれ、
ヒール部分が硝子でできた
純白のキレイなサンダルだった。
「イタリアでは愛の象徴として、
靴が贈られるらしいから…」
照れ笑いするカレ。
私は、
今までの
どんな高級なプレゼントよりも、
このサンダルが一番嬉しかった。
その日、
私達は1年ぶりに
肌を重ねた。
そしてそれは
だらだらと3年続いた。


