返事は、
すぐには出せなかった。
数日が経ち、
久しぶりに
カレに飲みに誘われました。
しばらくの沈黙の後、
口を開いたのはカレでした。
「秋田君は…
佐藤君のこと、好きなのかい?」
突然の質問に
私が呆気にとられていると、
慌ててカレは続けた。
「あ、いや…すまない。
盗み聞きするつもりは
なかったんだ…
君は…どうするつもりだい?」
嘘のつけないカレ。
「どうしてほしいんですか?」
嘘のつける私。
「…しばらく考えていた。
彼の言う通りだ。
僕には君に飛び込む勇気はない。
彼と居た方が幸せに決まってる。
だけれど僕は、
君を愛してしまっている…。
行かないでくれ……」
嘘のつけないカレ。
「……いいですよ」
嘘のつける私。


