小耳に挟んだ、同僚の会話。
「最近、和田さん、奥さんと
上手くいってないみたいね」
「なんかフリン?とかってねー」
少しやつれた、カレの顔。
「秋田君、もう2年目だけど
仕事は慣れてきたかい?」
「あ、はい、お陰様で!
和田さん、元気ないですけど…」
「え?ああ…最近妻が…
いや、
家庭のことを
職場に持ち出してはいけないね」
その時、悪魔は囁いた。
"この弱みに付け込め"と。
「お話、聞きましょうか?
いえ、
今まで和田さんには
たくさんお世話になりました。
だから、
少しくらい、
支えにならせてほしいんです。
私でよければ、聞かせて下さい」


