カレは職場の上司でした。
私が23のとき就職して、
右も左もわからなかった頃
たくさん助けてもらいました。
仕事も出来て、
上司からの信頼も厚く、
部下からは
憧憬の眼差しを送られ…
優しくて、人望のある
そんなカレに
惹かれていくのには
さして
時間はかかりませんでした。
ただ、その頃は
"奥さんの居るカレを
好きになってはいけない。
これはきっと、ただの憧れだ。"
と言い聞かせて、
うっすらと気付き始めた
この気持ちに蓋をしました。
そんな日々に1年耐えました。
ところが、些細なことで、
いとも容易く
蓋は外れてしまったのです。