一歩【完】




私は、

一旦帰って、
支度をしてから出かけた。



カレに

今までもらったものを
返すつもりだった。




「ピアス、バッグ、ワンピース…」





だけれど…





「―――…サンダル。」





私は本当に厭な女だ。





わざと、

今までカレがくれたものを



身に着けた。







もう、別れた今でも



このサンダルは





こんなにも履き心地がいい。







「…ほんと、私って厭な女」