一歩【完】




ピンポーン

「あ、秋田…先輩…佐藤です!」



ガチャ、


「こんな夜中に呼び出して、

ごめんなさいね…」




息を切らしてやってきた彼を、

私は部屋に招き入れた。




「いえ…。どうしたんですか?」





「和田さんと、別れたわ」


「…!!」



「返事、まだ、間に合うかしら」



「当たり前…じゃないっすか!

全く…4年、待ちましたよ…」





彼は、優しく、

私を抱き締め、



受け入れてくれた。





「うぅ…あ、ありがとう…」



「はは、ほんと貴女は

ワガママで泣き虫ですね」



「………佐藤くん」



「…なんです?」





「………抱いて。」



「そう言うと思いましたよ」





彼は薄く笑い、



強く、熱く、





私を抱いた。