「伊吹、弟さんが他界されたことお悔やみ申し上げます」
「有難うございます。
皆さま方がお越しくださって、志穏も喜んでいると思います」
そう言いながらアイツはゆっくりとお辞儀をする。
そんなアイツがオレには痛々しく目に映る。
「デューティー光輝、デューティー竣佑。
そして海神校の早谷さんでしたね。
今日はお忙しい中、有難うございます」
「紀天、暫くは伊吹を支えてあげるんだよ。
学校の方は気にしなくていいから」
「有難うございます、デューティー竣佑」
「紀天、今でもデューティーって呼んで貰えるんだね。
昂燿に行っても頑張っているようで竣佑に聞いて安心している。
瑠璃垣も紀天も心落としだと思うが、
落ち着いたら竣佑と悧羅に顔を出してほしい。
秋の学院祭に向けて生徒総会のミーティングの日取りも近づいている」
そう言って二人のデューティーと早谷さんは移動していった。
「伊吹、無理すんなよ。
少し休まなくていいのか?」
「僕は大丈夫です。
瑠璃垣の後継者のケジメはしっかりとつけますから。
デューティーこそ、そんな顔するならオレの後ついてこないで下さいよ。
この場もオレに取ったら、戦場なんです。
将来、ビジネスの世界で生きていくための」
そう言いきったアイツにこれ以上、
声をかけることも出来ずオレはアイツがやり遂げることを見届けることに徹した。
瑠璃垣伊吹としてこの世に生を受けたアイツの兄貴は、
瑠璃垣志穏、アイツの名を背負って荼毘に付された。
こんなことがあっていいのだろうか?
常識離れし過ぎた犯罪行為にも似た状況を知りながらも、
誰一人咎めだすものは居ない。
「今日は、弟の為に有難うございました」
そうやって、伊吹としての繋がりで式に参列した、
学院関係者に向かってアイツは深々とお辞儀をする。



