君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】



伊吹さんの傍で最期の別れを惜しみ続ける尊夜の傍、
オレはじっと椅子に座ってアイツを見つめていた。


途中を、アイツのことを呼びに来た瑠璃垣の関係者。
アイツが棺の傍を離れたと同時に、オレはデューティーの元へと連絡した。


亡くなったのは、瑠璃垣伊吹の弟、志穏さんだと言うこと。
そしてお通夜、告別式の情報を連絡して電話を切った。


電話を切ったのと同時くらいに、
アイツは再び棺の元へと戻ってきた。


「びっくりした?俺の生い立ちを知って」

「確かに驚いた。
 だけど……驚いたけど、オレは嬉しさもあるよ」

「嬉しさ?」

「あぁ、そこの伊吹さんには悪いけど、
 オレもお前の兄貴になる予定だったからな。

 学校でのデューティーって言う関係じゃなく、
 本当の意味で家族になる予定だった」

「あぁ、それがさっき言ってた『とうや』って名前?
 どんな漢字書くの?」

「尊い夜で、尊夜。
 お前が生まれたこと、よっぽど嬉しかったんじゃないか?」

「大層な名前だね」

「名付けられた方は、そうかも知れないな」



その夜、伊吹さんの傍でオレたちは朝までいろんなことを話し続けた。

学校で、瑠璃垣伊吹として兄さんの名前と一族の責任を背負って振舞い続けるアイツとは違って、
少し本当のアイツを垣間見ることが出来た。


翌日のお通夜、そして次の日の朝の告別式。
瑠璃垣志穏の葬儀は盛大に行われた。

オレが見守る中、アイツも気丈に「伊吹」として振る舞っている。

学院関係者からも、ビジネスでも繋がりの深い人たちは次々と喪服を身にまとって弔問に訪れる。

そんな中、光輝さんと竣祐さんともう一人、
お二人の関係者らしい存在、確か……海神校の早谷と三人で弔問に訪れる。