「わっ、悪かったな。
 合同学院祭、お前んとこ行けなくて」

「うん……そうだね」



ふえぇ?
何言ってんの?私。

私って何様?


そんな風に思いながらも一度出てしまった言葉は
訂正何て出来なくて。

するつもりもなくて……。


だけどアイツの口から、学院祭の時にアイツも私を気にしてくれてた。

そう言う風に自己解釈できる発言が出てきて
やっぱり心の中、嬉しくなってる私も居た。



「って、お前さぁー。
 ズケズケ言いすぎだろ。
 まぁ、いいけどさ。
 
 実際問題、お前からの電話に出れなけりゃ
 メールすら返信してねぇんだしな。

 マジ、ごめん。

 最近、どうよ?」


電話の向こう側の声は、
私が待ち焦がれてた大切なアイツの声。

アイツに餓えすぎた私の心を
アイツがゆっくりと埋めて行ってくれる。



「別に、何時もと変わらないよ。
 部活して、勉強して、帰って寝てる」

「ってお前、他には?」

「あっ、今日……睦樹おじさんと、咲空良おばさんに
 ここに招待された」

「そっか……」

「うん」


何、可愛くない会話してんだろ。


もう少し弱みを見せられたら。



「晃穂、無理すんなよ」




暫くの無音の後、続けられた言葉に
ドキっとする。


私の虚勢何て、
アイツには見抜かれっぱなし?


「別に、むっ無理なんてしてないわよ。
 ただ、体調が悪いだけだから」


そっ。

ただ体調が悪いだけ。


アイツが隣に居なくて精神的に
寂しくて弱ってるんじゃなくて、
日々の生活に疲れて疲労してるだけ。




そうやって必死に自分で言い聞かせてる。



そうでもしないと、
歩けなくなりそうだから。