「憲、晃穂ちゃん。
 結婚おめでとう。
 多分、この場で怜が一番祝福をしたかったかもしれない。
 
 多分、天国からアイツも来てると思うから、今日は二人の思い出の曲。

 俺たちの『SHADE』をAnsyalの他のメンバーと、此処に居るお前たちを祝福してくれるファンたちと共に
 送りたいと思う」


そう言って、EIJIさんはアイツのドラムセットの前に座った。


EIJIさんのドラムで、パワフルに始まっ思い出の曲の演奏。

それは私たちとって嬉しすぎて、涙が止まらなくなってた。


EIJIさんのドラムに絡んでいくのは、託実くんのベース。雪貴くんと祈くんのギター。
そして……十夜の歌声。


サビになると、十夜は自分が歌って誘導するようにファンの方へとマイクを向けると
ファンの皆も少しずつ声を揃えて、会場内が綺麗なハーモニーで広がっていく。


そんなハーモニーに包まれながら、私も大好きな曲を口ずさんでた。





怜さんの温もりを感じられた瞬間。


涙に濡れる私を、
アイツは守るようにそっと抱きしめた。 






メンバーのサプライズに翻弄されながら、
その日のLIVEは幕を閉じる。



翌日は、私たちの披露宴当日で
LIVEの感動に浸る間もなく慌ただしく準備が進んだ。