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未来の紀天へ
紀天に好きな人が出来た時、
貴方に結婚したいと思えた人が出来た時、
このメッセージを聞いてください。
お母さんより
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青いペンでそうやって記された表書き。
ゆっくりとケースを開くと、お母さんの写真がプリントされている。
表紙にプリントされたお母さんの手には、お父さんから貰ったらしい
婚約指輪らしきものが輝いていた。
そのディスクを取り出して、デッキの中へと挿入する。
再生ボタンを押すと、暫くして映像が流れ始めた。
映像の中のお母さんは今まで節目節目に見せて貰った映像と同じように
病室のベッドの上で、笑顔を見せていた。
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「えっと次は……なんだった?咲空良」
「えっ?あぁ、次は紀天君が好きな人が出来た時でしょ。
ほらっ、3・2・1……はい」
冒頭は、お母さんと母さんの他愛のない声のやり取り。