君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】



メジャーデビュー一周年を祝うLIVE当日。


前日の間深夜遅くまでスタジオで練習を続けて、
そのまま尊夜の一族が経営しているマンションの自室へと帰った。


翌朝、窓から外を覗くと珍しく白銀の世界が広がっていた。

ふと携帯電話が着信をつげ、キャビネットの上に置いてあった電話を持ちあげて出る。



「紀天、起きとったか?」

「起きてたよ。っといっても起きたのは今だけどな。
 そっちは?」

「まぁ、二時間くらいは仮眠できたかな」

「二時間ってそれは、寝たうちに入んねぇだろ。
 声でなかったらどうするんだ?」

「その前にボイトレだけ集中して会場に行くよ。
 オレ、今から出て社に寄って今日の指示だけ出してスタジオに行く」

「って、また単独かよ。
 外、雪で真っ白だぞ」

「そうだねー。せいぜい、滑らないように気をつけるよ」


そのままアイツの電話は一方的に切れて、俺はもう少しマンションで準備をして
スタジオへと向かう。

スタジオ前には、託実と祈、そして隆雪の弟、雪貴が姿を見せてた。

「おはよう、憲」
「おはようございます。憲」
「憲さん、おはようございます」

出迎えてくれた三人に挨拶を返しながら、
スタジオからハードケースに詰め込んだ機材を、機材車に順番に詰め込んでいく。

俺たちを慕ってくれる後輩のローディーたちの手伝いもあって、
スムーズに積み込み作業を終えると、一足先に機材車はスタジオを発進した。


「十夜は直接会場に行く。
 本社に顔出して、ボイトレして顔出すって連絡あった」


「大丈夫です。十夜からは朝一にメール貰ってます」

「あっ、僕のところにも届きました」

「んで、隆雪は?」


まだスタジオに姿を見せていないリーダーの名を紡ぐ。