君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】



エメラルドホール開演時間。
いつものように始まるoverture。


幻想的なインストが流れる会場内。



ドライアイスが噴出して俺たちは順番に、
ステージへと飛び出す。



メンバーにアイコンタクトを送って飛び出す前に、
尊夜と健闘しあうように手を重ねた後、
愛用のドラムスティックを掴んで光の中へ飛び出す。




一斉に湧き上がる歓声。



そして会場内は、
俺の名前で統一される。




中央、上手、下手と順にファンの顔を見ながら
じっくりと見渡すアイツの姿。





アイツが居ない?
やっぱり楽屋に届いた情報は晃穂?




そんな不安が押し寄せる中、俺はスティックをEIJIさんみたいに掲げて
自分の相棒、ブラックビューティーの元へと移動した。



Rapunzel、Ansyal。





アイツは何時でも、
何処でも全てのLIVEに顔を出してくれていた。



そして今日も「今から行くよ」って
メールを送ってきてた。




そんなアイツが会場に来ていない。



グルグルとアイツの事ばかり過ってる間に、
他のメンバーはステージに上がっていた。




最初の曲が始まる。



ギターの劈く【つんざく】ようなサウンドが会場内に響いて、
それに重なるように、託実のベースが地を這うように重なる。




それを受けて叩き始める俺のドラムは、最初から散々で、
走りがちになるリズムを抑えるように前方でプレイをしていた
託実がドラムの傍まで下がってきた。