「ついたぞー。
 マンションの暗証番号は?」

「紀天の誕生日」


そう言った私は、驚いたような顔をしてすぐにボタンを押す。



そしてエレベータに乗り込んで、何度目かの私の部屋の前へと立つ。


「鍵貸して?」


言われるままに、アイツの背中から降りて鞄から鍵を探し出すと、
ゆっくりとドアのロックを解除した。



よろけた私をすかさず、支えてくれるアイツ。



「入りなよ。
 片付けられてないけど」


そう言うと、アイツは相変わらず私を支えたまま部屋の中に入ってきた。



そのまま真っ暗な部屋の中、ソファーへと倒れ込む。
倒れこんだ途端、アイツの唇が私に再び触れた。


そのまま両手をアイツの背中へとまわす。 



「晃穂……」



私から一瞬離れて、私の名を紡いだアイツの唇。


その唇をもう一度近づけるように、
私は再び、アイツの顔を強く引き寄せた。



「いいのか?」



囁くように告げられた言葉に小さく頷いた。




アイツの指先が、私を求めるように何度も何度も敏感な場所を
刺激していく。


触れるようなキスだけだった最初とは違い、
何度も何度も、深く深く舌を絡めるように、吸い付くように口づけを繰り返す。



そんな刺激に翻弄されるように、声が漏れはじめる。




「晃穂……もっと声を聞かせろよ」



囁くように確信犯で敏感な部分を刺激し続ける感覚に、
おかしくなりそうで体を捩じらせる。


私の花弁にアイツの指が少しずつ侵入して、
何度も何度も体が震えて、真っ白な世界が降りていく。

それでも体は正直で、アイツの刺激でまたすぐにしっとりと密を滴らせていく。



「晃穂、大丈夫?」


そう言いながら、アイツは自分自身をゆっくりと私の中に埋め込んで
ゆっくりと腰を動かした。


アイツとの時間を心の底から感じながら、
私は微睡の中で、意識を手放した。



朝起きた時、私はアイツと一緒に、私のベッドで眠ってた。


シングルの狭いベッドに裸姿の私とアイツ。
アイツの腕枕が私の頭の下に用意されてた。