★
- 現代 -
懐かしいアルバムをめくりながら、
アイツと過ごし続けた時間を思い返す。
懐かしいアルバムは、
アイツが初めてステージに立ったその懐かしい思い出を切り取った写真。
アイツがSHADEを演奏するって聞いただけで、
「アイツが?」って思ったっけ。
そんなアイツが、次から次へとLIVEをして
大学生になって結成したのが、Rapunzel。
そしてRapunzelを脱退して、
再び始めたバンドが、Ansyal。
今のアイツの居場所。
アイツがLIVEをする居場所。
アイツとアイツの弟、尊夜が……
誰にも邪魔されずに、等身大の兄弟でいられる
そんな空間を……私は、あの日からずっと守り続けるって決めた。
どれだけ日陰の中に、身を潜めたとしても。
そして……そんなアイツのLIVEに出掛ける私の傍には、
今も智海と凌雅君の姿があった。
今も今日のLIVEの余韻が残る中、
AnsyalのCDを流しながら、携帯電話を握りしめる。
もうすぐ日付が変わる頃だけど、
多分……まだ打ち上げだよね。
電話しても迷惑だよね。
携帯電話から再び視線をアルバムに移して、
頁をめくり続ける。
アルバムの中のアイツは、
いつもキラキラと輝いていた。