- 現代 -




懐かしいアルバムをめくりながら、
アイツと過ごし続けた時間を思い返す。


懐かしいアルバムは、
アイツが初めてステージに立ったその懐かしい思い出を切り取った写真。




アイツがSHADEを演奏するって聞いただけで、
「アイツが?」って思ったっけ。


そんなアイツが、次から次へとLIVEをして
大学生になって結成したのが、Rapunzel。


そしてRapunzelを脱退して、
再び始めたバンドが、Ansyal。




今のアイツの居場所。




アイツがLIVEをする居場所。


アイツとアイツの弟、尊夜が……
誰にも邪魔されずに、等身大の兄弟でいられる
そんな空間を……私は、あの日からずっと守り続けるって決めた。




どれだけ日陰の中に、身を潜めたとしても。




そして……そんなアイツのLIVEに出掛ける私の傍には、
今も智海と凌雅君の姿があった。




今も今日のLIVEの余韻が残る中、
AnsyalのCDを流しながら、携帯電話を握りしめる。



もうすぐ日付が変わる頃だけど、
多分……まだ打ち上げだよね。



電話しても迷惑だよね。 
  



携帯電話から再び視線をアルバムに移して、
頁をめくり続ける。





アルバムの中のアイツは、
いつもキラキラと輝いていた。