私は病院の屋上にいた
別にケガした訳でも、病気になった訳でもない
母親に連れてこられたのだ、精神科にね
「出かけるよ」
学校から帰ってきて、そう母に言われ、車に乗せられて来た
「一度診てもらった方が良いわ、丁度明日から夏休みだしね?」
と…私の何がいけなかったのだろう
私の何が病院に来るまで心配されたのか分からなかった
精神科の医者と数十分話して…母と医者だけの話が始まり、私はココに来た
精神科にかかるほど、私の心は何かあるのか…
そう考えてる内に屋上の端の低いフェンスから下を眺めた
もう生きるのがめんどくさいな…
フェンスに座り、外に足を投げ出して、足をブラブラさしてみた
「ねぇ死ぬの?」
後ろから声がして、振り向いた
そこには肌が白い男がいた
『どうでも良くない?あんたに関係ない』
そう返してまた屋上の下を見た
緑が多い病院で敷地内が広いのが目に入った
「死ぬんなら、その心臓…僕にくれない?」
男は笑顔で言った
『良いよ、あげる』
私はそう答えてフェンスから体を離し、数歩進んで屋上から足が離れた
下に真っ逆様