ガバッ
「はぁっはぁっ」
またあの夢だ…
「雄ちゃん…」
さっきの夢にでてきた
雄ちゃんこと
井上雄大(いのうえゆうだい)は
あたしの幼なじみだった。
家がお隣で親同士も仲が良く
小さい頃からずっと一緒だった。
…でも
そんなあたし達に
別れは突然やってきた。
あたし達が小5のころ
雄ちゃんは引っ越すことになった。
「カテイノジジョウ」とやらだそうだ。
雄ちゃんは引っ越す直前まで
このことを教えてくれなかった。
いきなりのことに
思考がついていけず、
とにかく泣いて泣いて
雄ちゃんを困らせた。
一番泣きたいのは
雄ちゃんのはずなのに。
「なんでなんで」
と繰り返す私に雄ちゃんは
こんなことを言った。



