「妹の彼氏」

「へー。妹いるんだ。意外」

「えっと、兄弟いたりしないの?」

「彼方ね。おれ、兄ちゃんいるよ」

「あたしお兄ちゃん欲しかった」

「全然仲良くないから、おれの家族は犬だけ」


このひともうちと同じなのかな…。
なんとなくそんな感じがするから
これ以上は触れられないなって、そう思った


「ねえ、妹の写真ないの?」

「妹に興味あるの?」

「イヤ、なんとなく」


スクバの中をあさって、プリ帳を探す。
でも、そこに妹との最新のはないけど。
ほとんどが、美桜との。
そしてごく稀にクラスメートとのもの。

一番後ろの、目につかないような隅に2枚だけ。
『りお×れな』って、大きく書かれたピンクの字が目立つ。

れな。
妹の名前。


「これ。中2のときのだけど……」

中2のとき。
確かに、中2まで仲良かった。
中2“まで”。

今は、お互い……
家にいても一人でいるようなもの。


「へー。結構似てないな!」