「んーとね、理緒の、4コ上かな」
……19か
大人も同然じゃんか
「今、大人じゃんって思ったしょ?」
「まぁ……」
ハハッって笑って、あたしの腕を引っ張って病院内に向かって歩いていく那緒。
「お母さん、何歳だか知ってる?」
「そりゃぁ…」と答えながらも、考える。
何歳だっけ。
「35歳なの」
あぁ、そう!35歳。
あたしのこと ハタチで産んだって言われた記憶ある。
って、えぇ?
あたしをハタチで、ってことは……
那緒のことは、16歳で産んだの……?
「その顔は、わかるね?」
「高校中退。 でね、あたしを産んだの。 でも、育てられなかった。」
だから、那緒はおばあちゃんの家で育ったの?
那緒も、寂しかったんだ。きっと。
お母さんの、病室前の廊下。
「理緒は、そろそろ帰る?
って、ここまで連れてきちゃったけど」
「アハハ」って言いながら、那緒に笑顔はない。
彼方と正反対だ。
彼方は、「アハハ」とか言わなくても笑顔
あれ、なんでまた彼方のこと考えてるんだろ。

