「あたしたちのことは、知ってたんですか?」

「高校生なってからだったけどね。知ってからはちょこちょこ写真みてたよ。」


この人が知ってても、あたしは知らないよ

それに姉という存在も顔も名前も知らなかった。


「ホントに……? 新手な詐欺とか……?」

「考えすぎ。 なんなら、DNA検査でもしてみる?」


冗談っぽく笑う、あたしの姉と名乗る人。


「あたしのことは、那緒とでも呼んでね
あたしも理緒って呼ぶしっ」



「お母さんは、まだ起きないの……?」


あたしが言った瞬間。

那緒の顔が、曇った。



ダメ… だったのかな?

もう、先はないの?



「お母さん… 意識戻るかわからないって。」

「なんで、いきなり倒れたのかな……」

「元々、具合良くなかったの」


え……?

那緒は、お母さんと会ってたってこと?


「最近、体調悪くて… でも、無理して仕事行っちゃって。

ごめんね……

あたしが、止めてればよかった」


なんで?


お母さんは、あたしとれなの前からいなくなって那緒のところにいたんだ?

なんで家族一緒にはならなかったの?


お母さん………