あたしの部屋。

車用の芳香剤がベッドにズラーっと並ぶ“奇妙”と言われた部屋。

ただ単にこの匂いが気に入って並べてるだけなんだけどね…。


部屋に入るとすぐにテレビをつけちゃう。

無音で一人でいるのが怖くって、大した面白い番組も入っていないけど、部屋に入るたびにつけちゃう。


さっきまで着ていた制服を再び着た。

そして軽くメイクして、髪をストレートにした。



“コンコン”

ドアをノックする音。

れなしかいないんじゃないの?

れながノックしたことなんてあったっけ…。


「はーい」

「理緒~?お姉ちゃんだよぉー」

「えっ、那緒っ!?」


すぐにテレビを消して、ドアを開けた。


「早かったでしょ?準備終わった?」


軽く髪を巻いて、黒いTシャツにデニム姿ではちみつ色の髪を軽く巻いている。


「えっ、那緒喪服きないの?」

「やっ、今日まだ仮通夜だしさぁ…」

「じゃああたしももう一回着替える。れなにも伝えといて?」


「わかったよ」って笑いながら隣のれなの部屋に入っていった。


れな、さっき制服着てたしなんか申し訳ないことしたなぁ…

最初から那緒に聞けば良かった。


そして、悩んだ挙句、スキニーデニムと黒いTシャツって…

那緒と全く同じ格好になってしまった…