******************* 私の目の前にあるのは、小児科のとある病室、入り口のドア。 きっと今、ちよちゃんは1人のはずです。 私は軽く握った手に力を入れ、少しうつむく。 すると、緊張して強ばった肩に、トンと置かれるものがあった。 「明原先生……」 振り返ると、ふんわりした笑顔の先生がいた。 「…(大丈夫)…」 口の形だけでそう伝えてきた先生に、お礼を言おうと口を開こうとすると、先生は、肩においていないほうの手の人差し指を伸ばし、口元にあてながら、首を横にふった。