「また……?」



「……うん」



「あんたも毎日よくやるわね。ま、気をつけて」



菜月とは毎日のようにこの会話をする。



その度、呆れたような顔をしてそう言うが、いつもあたしを心配してくれている。



あたしは菜月に背を向け教室を出た。



ありがとね、菜月。ほんとはね、いつも伝えたいんだよ。



この言葉を……



でもね、恥ずかしいから伝えられないんだ。