29番って……何とも言えない、微妙な位置ですな。



「次は蓮実くんの番よ!!」



そんな声を耳にしながら机を17番の位置に運び、席に着いた。



窓際の席で外がよく見え、気持ちがいい。



ボーっと外を眺めていると隣から声をかけられた。



「よろしくね」



「うん。よろし………っ!?」



振り向いたその場にはなんと蒼井くんが、机を持って笑っていた。



「俺、この席になったんだ。桜井さん、よろしくね」