うわ、この辺なんだ

あたしの幼稚園近いなあ…




昨日の夜は泥酔しながらタクシーに運ばれてきたため
場所の感覚が全くなかった









コーチがチャリンと車のキーを出して、ロックをはずす



「すみません、おじゃまします」

「はい、どーぞ」











黒のおっきな車

フロントガラスはちょっと汚れてて

車のなかには可愛らしいストラップがついている











スイスイと住宅街を抜けて

片手でハンドルをさばく姿には

どうしても少しキュンとする







彼女になったら…


もっとずっと


いつも当たり前のように助手席に座ってられるんだなあ…












さっきまでの時間が

夢だったように感じてきた











見慣れた景色になり

自分の家が見えて

ちょっと寂しくなった












「はい、ついたよ」

「あっ、ありがとうございました。ほんとうにすみませ…じゃなくて、ありがとうございました。」

「うん、じゃあまた後でバイトでね」

「はい、また…」




















自分の部屋にもどり

ベッドに倒れこんだ





昨日のお酒はまだ抜けてなく

体は重い




頭のなかはいろんな感情がぐるぐる…






疲れ果てたあたしは


すぐに眠りについたようだった…