渚が留依を校門の前まで送っていくのはいつもの日常。

そして…


「なーちゃん、今日も皆に人気者だね!
いつもかっこいいなーちゃんの送り迎えでいいねって言われてるんだよ?自慢の幼馴染だよって皆に自慢しちゃった!」


渚の秀麗な顔立ちに加え光が当たるたびに光る金色に近い髪色が彼を引き立たせていた。

そんな渚を見ようと留依の通っている学校、華桜(クワザクラ)高校の生徒達は毎朝校門に注目をしている。

嬉しそうに話す留依を複雑な気持ちで聞いていた渚。


「僕は留依が笑顔でいてくれればいいんだよ?だからいつまでも自慢ができるように頑張るよ」

「有難う!」


そして二人の登下校は華桜高校の誰もが知っていること。


「留依、時間だ。きおつけるんだよ?
何かあったら直ぐに連絡して。帰る時は必ず僕を待ってて?それから、…」

「ぁあもう!大丈夫だよー。いつも聞いてる!なーちゃんには何かあったら直ぐに連絡するから!」


留依が心配な彼が別れ際に言うのもいつものこと。

彼女が校舎に入るまで見届けると渚は踵を返し自分も学校へと向う。

始業時間には間に合わないがなるべく早く学校に着くように足が早まる。