「…羽山、待って!
おでん、おでん食べなきゃ!せっかく買ってきてくれたのに冷めちゃう!」
「…こんな時にも食い気かよ」
羽山がどこか呆れた表情で私を見た。
それでも私の服を脱がす手は止めない。
「…だ、だってお腹空いたんだもん」
「…ったく、仕方ないな…
おでんに気を取られてするのもやだしな。
じゃああきら、俺のこと好きって言って。
そしたらやめたげる」
「はぁ?!な、なんで…」
“好きだよ”なんて恥ずかしい台詞、
この私が言えるわけないじゃんか。
「あきらも俺のこと好きでしょ?
ほら、“私はタモツのことが好き”って。
でなきゃ…」
羽山が顔を近付けてくる。
「わ、分かった!分かったから!!
す、好き!好き好き!!
だからヤメろ!!」
「……ふふっ、あきら可愛い♪」
「んなっ…あっ、ちょ、羽山っ…」
羽山が嬉しそうにふにゃっと笑うと、
また深い深いキスをする。

