愛しのケダモノ王子



抱き上げた私をベッドの上に寝かせると、その上から羽山が覆いかぶさってくる。


「…ちょっと、羽山、待って…」



私の言葉を遮るように、触れるだけのキス。

その唇が、うなじから首筋へと徐々におりていく。


「ひゃっ…は、羽山…」


羽山の右手がTシャツの裾から入って、私の胸に触れた。





「…あきら、好きだよ」


「へっ?!」



おでこがくっつくくらいの至近距離で、急に真面目な表情で羽山が言う。


そのまっすぐな瞳に、心臓が飛び跳ねる。


「好きだよ…

俺は、あきらが好きだ」


「わ、わかったから、ちょっと待って…これ以上は…」


もうずいぶん前から、この展開に頭がついて行っていない。

羽山にあんなキスをされてから、私の思考回路はフリーズ状態だ。


だけど私に触れる羽山の指は、


なんだかすごく気持ち良くて…



羽山のキスは、どうしてこんな暖かくて優しいんだ。