愛しのケダモノ王子



「え、ケダモノ?

女の子なら見境ないヤツだとばっかり…

それに、今だってこんな…」


「ひでーな!!

こっちは散々我慢してきたっていうのにケダモノって…

さすがに俺でも傷付く」


「ご、ごめん…」


羽山がジロリと私を見ると、ため息をついた。


「….…ま、あながちハズレてないか。

女の子の前じゃ、男はオオカミになるって言うもんね。

あきらを前にしたら、俺はケダモノって言われても仕方ないかも」


「…開き直るのかよ」


私は呆れて羽山を見た。

羽山は“へへっ”と笑うと、私の身体をひょいと抱き上げた。



「ちょ、ちょっと何すんの?おろしてよ!」



「じゃあ俺はケダモノってことで、

あきらを食べちゃっても良いよな?」


「はぁ?!何言って…」


「ケダモノだってね、そろそろ我慢の限界なんですよ。

逆に褒めて欲しいくらいだよ、今まであきら一筋で我慢してきたんだから…

てことでおじゃましまーす。
わ、散らかってるなぁ、さすがあきら」


「ちょ、ちょっと羽山!」

羽山は私を抱き上げたまま、部屋にズカズカと入って行った。