愛しのケダモノ王子



コンビニのおでんに負ける私って…

だけど今は致し方ない。


「…ありがと」


羽山からおでんを受け取ると、私は小さくお礼を言った。


「じゃ、俺行くから。お大事にな」


「え、羽山帰るの?」


思わずそんな言葉が出た自分に驚く。



「あ、いや、…なんでもない、ごめん。

わざわざありがと…」


私がそう言うと、羽山が私に渡したおでんの袋を床に置いた。

何をしているのかと思い見ていると、次の瞬間、羽山が私の身体を抱きしめる。




「ちょっ、ちょっと羽山?!なにす……」


「もー無理。

あきら、ずるいよ…お前可愛すぎ」



「は……?」



羽山が何を言ってるのか、サッパリわからなかった。

だけど羽山の胸が暖かくて、心臓がドキドキいっているのが伝わってしまいそうなくらいだった。



「ハッキリ言う。

俺は、あきらのことが好きなの。

高校の時からずっとあきらのことが好きだったの」


「な、何言って…冗談….」