愛しのケダモノ王子


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翌日、私は大学を休んだ。

そんな重要な講義も取ってなかったし、

第一朝起きたら目がパンパンに腫れて人前に出れるものじゃなかった。


ベッドの上でゴロゴロと寝返りを打つ。

保冷剤を当てて目の腫れもだいぶ引いた頃、携帯が鳴った。


見ると亜由子からのメールだった。


件名:大丈夫?

本文:あきら、生きてるー?

またタモツ君と何かあったの?



私はすぐに返事を出さなかった。

今はあの男のことなんて考えたくない。


件名:なし

本文:大丈夫。寝たら治った。




私はその一言だけ返すと、携帯をその辺に放った。


その時、お腹がぐぅと鳴る。


もう昼過ぎか。

さすがにお腹も減るよな。

てか人間って、こんな時でもお腹空くんだな。

私だけか?

どーせ色気より食い気だからな…




重い身体を起こして、キッチンに向かった。

冷蔵庫を開けると、腹の足しになるようなものが何もなかった。


(買い出し行かなきゃ何もない…

でも外出るのめんどくさいな…ピザでも取ろうかな)


そんなことをぼんやりと考えてた時、携帯がまた鳴った。