愛しのケダモノ王子



「だけどあきら酔っ払って途中で寝ちゃって、

家どこかわかんなくて…だからとりあえず俺んちに…


ご、ごめん!!」


羽山はそう言って、テーブルに付くんじゃないかってくらい頭を下げた。



「そんなつもり全然なかったのに、

俺、あきらに会えたことがすげー嬉しくて…

会えただけで嬉しかったんだけど、あきらすげー綺麗になっちゃってるし、

ダメだって分かってたけど俺、嬉しくて…

あーー何言ってんだ俺!!」



目の前で羽山がひとり真っ赤な顔して喚いているのを、私は呆然と見ていた。



「…その、だから、

とりあえず、ヤってないから!!」


「……は?」


「激しかったって冗談言ったら、あきら怒って帰っちゃうし…

そりゃそうだよな…てか驚いたよな…

ほんとごめん!」



「……ホント?

ホントに、その…ヤってない?」


私は声を潜めて聞いた。


「……う、うん」


羽山の言葉に、大きく息を吐いた。