俺なら“人ん家で寝転ぶなー!”とか言って飛び蹴りするけど、陵はスマートホンをいじりながらクールに「ない」とだけ応えた。 優しいんだろ、たぶん。 そして流れる沈黙の空気。 ………なんで誰も喋らねーの!? カラオケで一人虚しくバラードを熱唱している気分だ。 テーブルに肘をついて退屈していると、不意に顔を上げた陵と目が合った。 瞬時にそらす俺。