とにかく、俺には「好き」と言われた記憶が存在しなかった。 高校に入学するまでは――。 うん、たぶん高校がおかしかったんだ。 この頃の俺は、母も毒づくほどのひねくれ者になっていた。 と同時に、至らぬはずの恋心とやらまでもが芽生えた。 そう。学園一の美女と言われていた"ひかり"に……。