真顔でそう言う先生に苛立ちながらも、視線を教科書に移す。 この物語は、主人公の女子高生が一人旅をする中でたくさんの人物と出会い成長していく話だ。 主人公には忘れられない人がいて、旅先で出会った老夫の笑顔や話し方を見て親近感を覚えた、とかなんとか。 ロマンチストだな。 ひかりの顔が頭に浮かぶ。 というか、ひかりの後ろ姿が目に入った。 忘れられない人、という響きは好きじゃないな。 ひかりが俺から離れていくなんて、考えられない。 まぁ、これはあくまで空想だけど。