口元が緩む。 と同時に、誰かを忘れていたことを思い出す。 「悪い陵。無視してた」 隣に座って素っ気なく弁当を食べていた陵は、拗ねたように「別に」と言った。 「……怒ってる?」 「瑞希には怒ってない」 ん?意味が分からないんだが。 尋ねようとすると、陵が突然「チッ」と舌を鳴らした。 「え?なに?何かあった?」 怒る相手って俺しかいなくね?